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フリーゲーム論─STGでの感情移入に関する考察─

http://libertatem.org/2008/04/freegame4.html

おひさしぶりです。最近ゲームに関することで考え事をしていて、自分の中で体系化することに多少の成功を感じました。ということで、今回の内容はタイトル通りに、STGでどのように作ればプレイヤーを引き込むことができるのか、についてです。そして、考えの適用範囲は、自機と敵機に限ります。背景や銃弾のシステムは考慮しません。

はじめにですが、フリーゲームを作るとき、必ず人材に困ることと思います。それで少なからず手抜き、といいますか誤魔化しながら完成まで持っていくわけですが、その時STGとして如何なるところに気を使えば、魅力を感じる作りにできるかを考えていました。最初に問題点、次に解決の糸口を、そして最後に僕なりの回答を書いていこうと思います。

注意点ですが、感情移入を簡単に成し遂げたいなら東方から学ぶといいと思います。しかし東方はあまりにも濃いために、学ぶどころかそのまんまコピーになってしまうような気がします。ですのであえて東方から外しているので、萌えとかそういった類の感情移入を期待しないでください。あくまでも、最低限度惹きつけるための条件についての考察です。

製作の際の問題点

まず、3Dなのか2Dなのか、グラフィックはどのレベルで完成させるのか、です。3Dの難易度は言わなくてもいいと思いますが、2Dの時も非常に手間がかかります。それぞれのオブジェクトをプレイヤーに勘違いさせることのないように書き分けなければいけない上に、大抵の場合は敵の行動パターンごとに絵を追加しなければなりません。そして動いている時にそれに伴う画像すなわちモーションが無いと、まぬけな印象を与えてしまいます。ですから、簡単にプレイヤーにその敵の歴史、設計思想を伝えることは難しい、ということです。

次に自機です。人型なのか戦闘機なのか。人型ならモーションが必要です。3Dはとても素人にはできるものではないですし、2Dでもシステムに応じて相当の量が必要になります。戦闘機の場合は、中のパイロットを意識できるシーンはただシューティングをしているだけでは出会えないように思えます。パワーアップして見た目も変わっていく自機を失いたくない、と考えたとしても、それはシステムの一環で当たり前のように起きる感情なので、STGの様式をとっているだけで自然発生するはずです。僕の考えでは、戦闘機ではこれの実現が難しい。

以上の2点です。考え出すときりがないので、今回は簡単に上のものだけとします。

解決の糸口

先の問題点では漠然としていて、イメージがわかないと思います。そこでこれらを基本とした上で、一体何が感情移入を妨げているのか考えてみました。

ずばりそれは、無機質であることがいけないということです。STGに実在感を持たせるためには、有機的な成分をいくらか混ぜなければいけないわけです。

極端ですが、こう考えて見ましょう。東方のオブジェクトを立方体に置き換えてみます。このとき肝心の弾幕に限り変更しないものとしますが、魅力が残りましたでしょうか?多分、残らないかと思います。

もしあなたがそう考えたのであれば、ゲームの本質(弾幕ということにします)は変わらなくても、もっと人の心に訴えるものがあり、それが予想以上に重要だったということです。僕はこれを、『有機的なストーリー』と考えています。

話を元に戻し、一般の戦闘機モノのSTGで考えてみましょう。大抵これらは、敵も戦闘機、ヘリ、未来兵器です。速攻で打ち落とされるのでいちいち中にいるであろうパイロットのことも考えません。金属の塊に人権はなく、いわゆるやられ役に徹します。そして無機質です。動きはどうでしょうか。画面外から来て中央でとどまり弾乱射再び画面外へ。編隊がとぐろをまいて出現画面外へ。高速に画面を左右上下に横断。と、3つのパターンとそれの拡張で表現できるものが多くあります。反対に自機の位置との関係で動きが決まるものは非常に少ないです。この直線的な動きは無機的な印象をプレイヤーに与えます。僕はこのスクリプトで決められた直線的な動きを『無機的なストーリー』と考えています。

現実では有機的なライン、機構を持つものが多くそれが経験則となっていることが多く有ります。例えばある形状にノズルらしいものがついていれば、そこから何かを噴射したり、その運動方向を保つのではないか、と考えます。また、二つの長方形の間を球で接続しているのであれば、そこが関節となって運動するのではないか、と考えます。これらの連想は有機的なストーリーを導き出し、そうであることを期待します。形状は何らかのメタであると知ることで、広がりを感じられるのではないかと思います。

僕の回答

自分の思い描くシステムに有機的なスパイスを適度に加えることです。これはいわば料理であり、目指すシステムに過剰に与えられても、足りなくてもいけません。サイバーな未来なら無機質であってもおかしくはないわけですし、触手に侵略された未来なら有機的に行くべきです。

僕はステージのストーリーラインを、有機的→無機的→有機的に構成するのが一番簡単であると思います。最初にキャラクタが喋ったり、ボス前後でまた喋ったりで十分に感情移入ができるはずです。実際にそのようなケースは多く見られます。このとき中央の無機的なシーンは、ボス戦に向けて加速、トランスさせるという目的を持たせるのがよいのではないかと考えます。歌と同じように、盛り上げるところ、落ち着かせるところ、それをステージなどに合わせトータルで考えるべきです。そうすることにより、全体で有機的なストーリーを見せることができます

最初の問題で長々と語ったこと、それはすなわち、自機や敵を如何に有機的に見せるか、ということです。ですからグラフィックのみで考える必要はないのです。僕はこれらを動き方で有機的に見せればよいと考えます。自機であれば動きのクセを与えれば可能でしょう。敵機はバリエーションがあります。先に言った有機的な動きと、エフィクトを与えることです。ただの立方体でも、ダメージによって色が変わっていく、自機から逃げるように、追うように動く、有機的な弾を射出する、などいくらでも想像ができます。それでも新たにオブジェクトのパターンとして描き下ろすよりははるかに楽です。

僕の考えはざっとこんなところです。まとめると、感情移入をさせるためにはそのゲームのブランド力や一定レベルの生々しさを与えることです。

あとがき

今回のフリーゲーム論は、かなりアバウトな出来上がりですが、こういった世界観とゲームの連結にあたる考え方の指標(?僕からすると自分ごときのは馬鹿らしいような気もするが)を書いてみるのも面白いのかもしれません。

久しぶりの記事でしたが、フリーゲーム論を楽しみに来られる方もいるようなので、暇つぶし程度になれば幸い、新たな発見があれば、僕喜んでいます。それでは有益な情報であったことを望みます。お疲れ様でした。

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2008年4月21日 16:33に投稿されたエントリーのページです。

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