石油とかの話題も知りたいところ。そんなわけで読みやすそうな本をpick up。
目次
- 第1章:高騰した原油価格
- 半年で1.5倍に上がった原油価格
- 第3次石油危機がやってくるのか?
- 原油価格は何故ドル建てか?
- 本当に「最高値」なのか?
- 第2章:原油を生産する国
- 石油とは何か?
- OPECは復活したのか?
- 非OPEC産油国の台頭
- 第3章:原油の輸入国
- 原油は何に使えるのか?
- 先進国・新興国の輸入が増加
- ハリケーン「カトリーナ」の教訓
- 第4章:原油市場
- 原油先物市場とは何か?
- 原油価格を左右する投機
- 原油価格高騰の背景とその意味
- 第5章:世界景気失速懸念とオイルマネーの奔流
- 原油高で打撃の大きい国はどこか?
- 日本経済への影響
- 産油国への資金の流入
- 第6章:将来の原油価格は上がる?下がる?
- 原油価格はどこまで上がるか?
- 石油と環境問題
- 代替エネルギーの開発
本書の全体像
タイトルが全てを表しています。しかしその本質を見るのではなく、さまざまな視点から捉えていきますので、入門書としては読みやすく充実しています。知っている人は物足りないですね。全254ページ。芥田知至が著者。少し眠くなる内容。
注意しなければいけないのは、これは2006年の本だということ。ご存知の通りここ数年で原油価格は類を見ないほどに高騰しています。本書の予測は原油価格は落ち着くだろう、と占めていたので改訂版も出ています。けれども昔からの流れを知るには十分な内容。
石油=ガソリン、と短絡的に捕らえている人にとっては少しは視野が広がるように書いていますが、広げようとするあまり散漫な内容になっているかも知れません。気になるワードはそれに関連する本を読むことで満足のいくものとなるでしょう。
僕がずっと疑問だったのは、昔よりは所得が上がっているから原油価格が2倍になっても一概に言えないのではないか、です。所属する団体もあり、自分で調べない限りは答えも無かったのですが、本書ではその時の金銭価値と原油価格を比較した体感の表も多く取り入れてます。そこはお勧めの点ですね。
それでは、本書の魅力と所感などを2項目ほど。
最新の問題が反映されないメリット
読んでいく最中に困ったのは、「市場原理により原油価格は落ち着くと思います」、なんでも需要と供給のバランスからそうなって当たり前、と書いているのですが。でもそれでは2007,8年の原油価格の上がりっぷりの説明になりません。じゃあどう理解すればいいの!?
と思うのは至極当然の話です。知識が無いために本を読んで関心を高めようとしているときに、答えがありません。むしろ本書は問題集のようです。だったら自分で調べよう、という程度には関心を持つことが出来るでしょう。
石油を取り巻く環境
これは石油の取れる地質の話ではなく、石油が消費されるまでの経済活動の話です。
先物取引やOPEC、聞いてはいてもいまいち実態が掴めない......守備範囲外の僕はそんなLv1ですが、本書では石油を知る上で必要な程度に事実が書かれています(それが10割正しいかはおいておいて。
大体の場合、本は知りたいから手に取るのですが、それはRSSフィードのように無意識だと好悪だけで判別してしまいます。それでは知らずの内に見えない分野を遠ざけていることになります。そういったときうれしいのはこういったイレギュラー。知らない事も大事だと取り上げている本書には好感が持てます。
本書が合いそうな人
社会に出ていない専門としていない大学生、10代後半にお勧め。この世代は過去の石油様相をオイルショック以上の知識として触れません。主流に関心を持つには十分な内容でしょう。
ただし、図が少なめな上、専門用語が多いのは毎度のことですので、コーヒー片手にがんばってください。
ゲームに使えそうなネタ等
市場原理のシステムはいつも興味深く思えるのですが、ゲームに取り入れるにはアルゴリズムがいまいち難しい......そのまま使っても面白くなるとは限りませんし。
しかしシミュレーションゲームには、石油を取り巻く世界の動きは、定性的に扱いやすいものがあるかもしれません。例えばですが、本書では石油依存度が高い国はこういった風になっている、や、日本がアメリカより石油依存度を低くできるのは狭い国土のためだ。などが書かれています。
世界を見てゲームを作ろうとした場合、先進国や新興国、また先進国の中の差などはなかなか見えてきません。ファイヤーエムブレムなどのゲームでも、国ごとの特徴を主義主張で固めてしまい、実が伴わないことも多くあります。
僕はそういったゲームは薄っぺらい、よく言えばゲームらしい仕上がりになると思うのですが、本書から、国土的にこういった特性を持つ、という至極当然避けにくいパラメータを学ぶことは面白いように思えます。そうすると、情勢が変わったとき、この国はどう動く、などが決めやすいですしね。
