色彩の本。必要ない人には多分無価値。
目次
- 序論
- 色彩の物理面
- 色の要因と色彩効果
- 色の協和
- 主観的色彩特性
- カラーデザインの理論
- 12色環
- 7つの色彩対比(色相/明暗/寒暖/補色/同時/彩度面積)
- 混色
- 色立体
- 色彩調和
- 形と色
- 色彩の空間効果
- 色彩印象の理論
- 色彩表現の理論
- コンポジション
- あとがき
本書の全体像
色彩の古典とされている以上読むべきこの本は、色彩の基本を詳しく取り上げています。全100ページ。1971年初版。著者はヨハネス・イッテン、バウハウスの講師経験を持つ画家です。
僕は色彩に関する知識を一般以上には持ち合わせていません。まあそれは絵を見ればわかることなんですが......。それは置いておいて、実際のところ線画もそうだし、色彩は線画以上にセンスという言葉で努力から遠ざけられています。どうにも皆が理解しているように思えることほど、見直すことが嫌われているようです。
それでは色彩対比はどのような感覚でそれが良いといえるのか。客観的な感覚とはどのようなものを指すのか。そういった根本の不安材料をはらってくれる内容が書かれています。実践から学ぶことも大切であるため、練習方法も書いてあるので是非練習しましょう。
特にメインになっているのは色彩対比以後。太字などで強調されていないために、文章中の要点をたびたび見逃すこともあります。色の見本含めて100ページなので、音読するのがいいでしょう。
それでは、本書の魅力と所感などを2項目ほど。
基礎の見直しのチャンス
本書が世間に出てから、この理論は様々な本で少しずつ取り上げられています。ですから何かしらが聞いたことのある内容です。悪く言えば、項目的には目新しさはありません。
けれども、対比がどうのこうの、といわれてもそれって実際に美しいの?と思ったことは多くあるはずです。大抵がビビットなカラーを例に出され、むしろ目が痛いと思ったのではないでしょうか。
本書ではそれが何故良いとされるのか、を具体的に書いています。例えば、その対比でもたらされた色合いは、以下の面積比のときに最大の効果を出す、などです。なるほど、確かにこのように解説してくれるとわかりやすい。少し理解した後に他のデザインを見ると、以前よりは見えるものがあります。
あくまでも教科書に徹した内容
本書はヨハネス・イッテンの講義と捕らえることができるでしょう。内容はそれだけシンプルであり、しかし彼の思想は色濃く現れています。
教科書でしかないということは、それ以降のものは自分で経験して判断していくということです。しかし、原点を見失ったときはこの本が頼りになることでしょう。そして同時に、製作者の個性までを侵害しないということです。
僕自身2回しか目を通してません。理解した、と言いがたい本は多くありません。この書評を書くのは多分早いのでしょう。けれども言い換えれば何回読んでも発見のある本です。手元にあれば理解を促してくれることは間違いありません。
本書が合いそうな人
色に関心がある人です。しかし、まったく知識がないと理解しがたい内容だと思いますので、そこが難しいところです。ですので美術作品鑑賞好きという項目も付け加えておきます。
反対に色に関心のない人には、複合的に学べることはほとんどありません。
ゲームに使えそうなネタ等
この本ゲームとかで表現するものじゃないだろ......でもやっちゃいます。
UIも含めて、画面を絵画のように見せるテクニックの理解が進むのではないでしょうか。
以前どこかで、今のコンシューマゲームは戦闘パートとそれ以外のパートの開発スタッフが別れていると目にしました。そのためにゲームの分離が起きてしまっていると。
しかしそれはUIについてもいえることだと思います。見えやすいからというだけでコントラストの高いバーを何かのゲージに表したり、四角形のポップでメニュー画面を構成したり。それも一つの作品の見せ方に問題を感じます。これは海外のインディーズゲームのほうが高い関心を持っているように見えます。そんなオリジナリティを追求することも大切でしょう。
