ゲーム理論を含めた戦略的思考のしかたの入門書。
目次
- 第1章:戦略
- 第2章:先読みと均衡
- 第3章:リスクと不確実性
- 第4章:インセンティブ
- 第5章:コミットメント
- 第6章:ロック・イン
- 第7章:シグナリング
- 第8章:スクリーニングと逆選択
- 第9章:モラル・ハザード
- 第10章:値引き競争
- 第11章:オークション
小項目省略
戦略的思考の技術
ゲーム理論は本来の意味から離れて、ゲームのデザインに対しても間違いなく有効に使えるものだと思っています。ただ、日常レベルではどのように使われているかわからない僕にとっては興味を引くタイトルでした。全275ページ。2002年9月初版。梶井厚志著。
本書では最初の方に、知らず知らずのうちに、日常的に戦略的思考を用いているものである、と書いてありましたが、読み進めるとなるほど、確かに日常的に用いています。ただし裏を返せば、本書で取り上げている事象はもともとできていたことが中心で、戦略的思考のプロセスとしてはこのように考えて結論に至るのが妥当である、という道しるべ以上の表現が見受けられません。
また、ゲーム理論を簡単に語るときによく耳にする「囚人のジレンマ」についても、筆者はあえて避けて書いた、とあとがきで語っています。どうにも、よくありがちな本にしたくなかったようです。それが裏目に出てか、あまりにも日常的な話題ばかりで、しかしそれも戦略的思考にのっとるばかりに、現実的に判断できないような答えになりがちでした。僕にはこの本は全体的に不出来なように思えました。
専門用語はせいぜい10程度。数値を出した話も少なく、かつ日常の話題で収まっているために大人なら誰でも苦なく読める内容になっています。本書は戦略的思考の入門書と位置づけるなら悪くはないかもしれません。このとき、マクロ経済、ゲーム理論などをほかの本で読んでいたのなら、本書は簡単すぎる内容だと思われます。
この本の内容を対人関係で実践するのはやめておいたが懸命です。よく文意を捉える、もしくは鵜呑みにしないのであればいいのですが、あまりにもお互いにとって得か、に話を纏めているために、損得勘定に飲まれがちです。
